高校生・大学生の拳士諸君の少林寺拳法部活動の参考になれば!とスタートした「福家ブログ」。
今までの長年の競技経験、そして指導経験を生かしていろいろな提言をしていきたいと思います。
提言していく内容はあくまでも福家健司自身の研究報告とお考え下さい。連盟本部、全国高体連の競技力向上委員会のオフィシャルな見解ではありませんので・・ご了解ください
そして、少林寺拳法をまだご存じではない方々に、東京都高体連少林寺拳法専門部の大会や運営、そのほか学生大会の様子などを通じて少しでも理解を深めていただければ・・とも考えております。宜しくお願い致します。
ウォーミングアップ・・動的柔軟性(ダイナミック・フレシキビリティ)の活用!~その2~
少林寺拳法やほかのスポーツにおいても柔軟性は重要です。「身体を正しく動かす」ことや「身体を速く動かす」ことにおいても柔軟性が大きいほうがよりスムーズに動かすことができます。
静的ストレッチ(スタティック・ストレッチ)は関節の絶対的な可動域を大きくできます。しかし、関節の筋は体温が上がったほうが伸びる性質があるため、自動運動(自身が動きながら柔軟性を高める運動をする)が主体である動的ストレッチ(ダイナミック・フレシキビリティ)のほうが筋温を高めながら行うため、柔軟性をより高めることができます。スタティック・ストレッチとダイナミック・フレシキビリティを上手く組み合わせながら行うことで、少林寺拳法の練習に使われる筋肉、関節を効果的にほぐしていくことが出来ます。
そこで、ウォーミングアップを行う際は、歩きながら、軽く走りながら、ダイナミック・フレシキビリティを積極的に取り入れていくことが大切です。それにより効率よく少林寺拳法の動きに使われる筋肉を鍛えながら、筋温を上げ、メインの練習に向かうことが出来ます。
参照:「SAQトレーニング」
準備運動・ウォーミングアップ(走りながら編)
~スキップしながら~
スキップ(両肩交互回し)
両腕をなるべく大きく回し、肩(肩甲骨)、体幹が動くように意識する
サイドステップ+腕回し(両肩前回し)
大きく円を描くように回し、肩(肩甲骨)が全可動域が動くようにする
クロスステップ(左右)
足が交差するだけでなく、腰全体を捻転させるようにすることがポイント!
少林寺拳法の動きは身体全体の回転運動から成り立っているものが多いので、しっかりと身体を捻じる動作を行うことが大切です。
バック走
脚の裏側を伸ばすことを意識して後ろ向きに走ります!
アキレス腱伸ばしの連続をするように・・踵を後ろに送り込むようにして走ると効果的です!
ツーステップ(前進)左前→右前→左前・・二歩ずつ差替える
少林寺拳法の足捌きの「差し替え」を意識して、腰の位置が構えが替わる瞬間も上下しないように行います。(バスケットボールのツーステップのように足が床面から離れるのではなく、すり足でどの瞬間も両足が床面に触れながら行います。)
ツーステップ(後退)左前→右前→左前・・二歩ずつ開退がる
少林寺拳法の足捌きの「開退り」を意識して行います。ポイントはツーステップ(前進)と同じです。
ハードラースキップ(前進しながら)
股関節が全可動域が動くように意識する
ハードラーウォークをスキップしながらリズミカルに行います。
バックハードラースキップ(後退しながら)
バックハードラーウォークをスキップしながらリズミカルに行います。
股関節が全可動域が動くように意識します。
前後ダッシュ・バック(4歩前にダッシュし、3歩後ろにバックし、それを繰り返す。)
これはアジリティトレーニングとも重なりますが、ウォーミングアップの一環として取り入れても非常に効果的です。(ただし、運動強度が強いため、十分に筋温が上がった状態で行
うことが大切です。)
ポイントは・・ダッシュして4歩目にピタッと止まり、すぐに後ろに3歩ダッシュでピタッと止まります。4歩、3歩で行うとそれぞれ止まる足が右足、左足の交互になります。
編集後記
今回はウォーミングアップその3ということで、動的ストレッチ(走りながら編)の一部を紹介させて頂きました。前回ご紹介した歩きながら編では、関節の可動域を広げるようなイメージで身体をほぐしました。そして今回は、走りながら動的ストレッチを行うことで、より筋温を上げ、少林寺拳法の動きの特性である敏捷性、素早さを高めるためのウォーミングアップをしていきます。
このウォーミングアップは少林寺拳法に使われる筋肉強化にも繋がっています。ご紹介の都合で、「ウォーミングアップ」「トレーニング」とカテゴリーに分けてはいますが、そこに明確な境目はありません。
「ウォーミングアップ」「トレーニング」どちらにも大切なことは、「意識性」です!動いている筋肉を意識し、また、その動作の正しいフォームをしっかりとイメージし、その運動によってどんな効果を上げようとしているのか!を意識しながら行うことが何よりも大切です!